フィルムで内容物を固定するフィルム緩衝材「グレイスパット」。この開発ストーリー第3弾は、フィルムと段ボールパットを溶着する製造ラインの話をします。
フィルムと段ボールの溶着方法として「ヒートシール」方式を発見したのは前回お伝えしたとおりです。
- グレイスパット開発秘話~その1~
- グレイスパット開発秘話~その2~
- グレイスパット開発秘話~その3~
- グレイスパット開発秘話~その4~
- グレイスパット開発秘話~その5~
- グレイスパット開発秘話~その6~
それは、営業所の片隅に置いてあった有効幅30cmほどの小さなヒートシール機械だったので、それではとても実際の製品の製造はできません。というわけで、製品製造のための機械装置が必要となったわけです。
そこで、"哲三博士"(当時の担当営業)はポリエチレンのシール機械で付き合いのあった機械屋さんに相談しました。機械屋の社長はアイデアマンで、段ボールとウレタンフィルムという異素材をがっつり熱溶着するオリジナルの専用機械を造ってくれたのです。次はどこで製造するかです。弊社のフィルム製造工場内では、場所的にも人員的にも新たに機械を設置して別の作業をするには無理がありました。この仕事を受けてくれるところ、どこかないか。ポリエチレン袋の製造会社で、当時、暇アピールをしていた取引先があったのです。哲三博士が声をかけると、二つ返事でOKが!
さっそくアイデアマン社長が造ってくれた機械がフィルム製袋工場に設置されました。
弊社の工場で愛情をこめて製造されたポリウレタンフィルムは「巻物」状態で仕上がります。これを「枚葉」にカットします。
「フィルム+段ボールの熱溶着製造ライン」では、まずこの枚葉のウレタンフィルムを段ボールパットに仮止めします。この仮止め作業、慣れたおば様たちの作業の早いこと!! 職人技です。
そして、仮止めが済んだフィルム+パットはいよいよヒートシール機械にセットされます。緑の丸ボタンが押されるとシールバーが上から降りてきます。ガチャーンとプレスし、数秒待ってバーが上に上がると、そこにはがっつり綺麗にシールされた製品が鎮座しているわけです。
あとは、セパレーターフィルムを剥がして完成です。このようにして、グレイスパットの製造がスタートしました。
次回は、製品拡販に伴うコストダウンへの挑戦ストーリーをお伝えします。
乞うご期待!