こんにちは!営業の渡部です。
前回に引き続き、熱可塑性ポリウレタンについてご紹介します。
今回はもう少し詳しく、「エステル系」「エーテル系」の違いについてです。
― ポリウレタンシリーズ 全3回 ―――――――――――――――――――――――――
★ポリウレタン① 熱可塑性ポリウレタンとは?
★ポリウレタン② エステル系とエーテル系とは?
★ポリウレタン③ 加水分解・黄変とは?
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ポリウレタンは分子結合の違いで「エステル系」「エーテル系」分けることができます。
それぞれの特徴は、、、
①エステル系
組成内にエステル結合(-COO-)をもっているものがエステル系ポリウレタンとなります。
機械的強度が非常に良く、特に引張強度・引裂性に優れています。
ですが水に弱いという特徴もあり、加水分解を引き起こしやすいという特徴もあります。
加水分解の理由については次回のブログでお伝えします。
②エーテル系
組成内にエーテル結合(-O-)をもっているものがエーテル系ポリウレタンとなります。
エステル系に比べて機械的強度は劣りますが、水に強く、加水分解を引き起こしにくいという特徴があります。
2つを比べてみると、特徴の異なるポリウレタンであることがお分かりいただけると思います。
武田産業ではどちらのタイプのご用意しており、お客様の用途や目的に合わせてご提案させて頂いております。
・エステル系 ⇒ タフグレイス
・エステル系(無黄変) ⇒ エターナルグレイス
・エーテル系 ⇒ ミラーグレイス
これまでポリウレタンの特徴をご紹介させていただきましたが、特徴を見てみると、加水分解しやすいというワードがあります。
言い方を変えると、ウレタンは“水と仲良し”なのです。当社でこのポリウレタンフィルムを製造する際も、
原料が水分を吸いやすく、そのままフィルムにしてしまうとブツブツになってしまったり物性が弱くなってしまったり
品質不良が起きやすくなってしまいます。
ですので、水分管理をしっかりすることが求められており、原料を乾燥させるなど手間暇かけてこのフィルムを作っているのです。
また、水と仲が良いので、プラスチックフィルムでやっかいな“静電気”を帯びにくい、という特徴もあります。
また前回のブログでは、ポリウレタンは黄変しやすいということもお伝えさせていただきました。
「加水分解」、「黄変」というのはポリウレタンの話題には必ず登場するワードですが、
なぜポリウレタンはこのような現象を引き起こすのでしょうか?
ポリウレタンシリーズ最終回では、ポリウレタンの加水分解と黄変をテーマにお送りさせて頂きます。