株式会社武田産業
TOPページ > 100年のクリエイティブブログ > 技術用語集 > 環境対応素材(バイオマスプラスチック 生分解性プラスチック)とは?

環境対応素材(バイオマスプラスチック 生分解性プラスチック)とは?

CREATIVE BLOG

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
環境対応素材(バイオマスプラスチック 生分解性プラスチック)とは?

こんにちは、営業の渡部です。

近年、「SDGs」や「プラスチック資源循環促進法の施行」等、環境に対する取り組みが国内外で活発化しています。

私たちの身近なところでも「レジ袋の有料化」や「ストローの紙化」等、様々な取り組みが行われ、
これに伴って人々の関心も高まっているように感じています。

プラスチック業界での「環境」でいうと、海洋プラスチック問題を挙げられることが多くありますが、
プラスチックにも環境負荷を低減した「環境に優しい」素材が増えてきていることをご存じでしょうか。 

今回はプラスチックの環境対応素材「バイオマスプラスチック」と「生分解性プラスチック」についてご説明します。

「バイオマスプラスチック」と「生分解性プラスチック」はどちらも環境に優しい素材と言われていますが、「環境に優しい」という同じイメージであるがゆえに、特徴が混同されやすいです。それぞれ、どんな特徴があるのでしょうか。


バイオマスプラスチック
食物由来の有機資源(バイオマス)を原料としたプラスチックです。代表的なものだと、トウモロコシやサトウキビ等があります。
従来のプラスチックは石油由来のものが多くなりますが、石油は再生されないため、いずれは枯渇してしまいます。
しかし、バイオマスは消費しても種がある限り再生し続けるので、「再生可能」な資源であるといえます。

 【メリット】
・地球温暖化の抑制
→従来のプラスチックは石油由来であることから、製造時に地球温暖化の原因である二酸化炭素を大量排出します。バイオマス由来のプラスチックも製造時には二酸化炭素を排出しますが、バイオマスは光合成により生成されているので、排出された二酸化炭素は「大気中に戻っただけ」と考えることができます。⇒カーボンニュートラルとは(後日公開!)

・石油資源枯渇の抑制
→石油資源には限りがあり枯渇してしまう可能性がありますが、バイオマスは種が存在する限り存在し続けるので枯渇してしまう心配がありません。

・バイオマスマークの付与が可能。
→バイオマス製品には認証制度があり、バイオマスの割合によって認証マークがあります。


【デメリット】
・分解はされないことが多い
→植物由来のプラスチックではありますが、土壌や海洋中に捨てても自然界の微生物で分解されないことがほとんどです。分解されないとなると従来の石油由来のプラスチックと同じなので、海洋プラスチックごみ問題のような環境問題の解決には難しいです。

・食料との競合
→食物由来なので、利用拡大が進むと食料との競合が考えられ、特に途上国においては食料不足の懸念があります。昨今では、セルロース系等の食料との競合にならないバイオマスを使用した製品の開発が各社で進んでいます。

・生産コスト
→まだ新しい技術であるがゆえに、安価に製造できないのが現状です。今後、需要と生産量が増えることで、コストは下がっていくことが見込まれます。

・供給面
→バイオマスは再生に時間がかかるため、持続的な確保が難しいという課題があります。再生可能といっても、再生量が消費量を下回り続けると、いつかは枯渇してしまう可能性もあり、なかなか普及が進まない理由の一つとなっています。


生分解性プラスチック
土壌や海中等の自然界に存在する微生物により、水と二酸化炭素に分解されるプラスチックです。代表的な素材には「ポリ乳酸」等があります。

【メリット】
・プラスチックごみ削減
→適切な環境下で分解され、最終的には水と二酸化炭素になるため、ごみとしての蓄積がありません。

・生分解性プラマークの付与が可能
→バイオマスマークに比べて知名度は低いですが、生分解性プラスチックにも認証マークがあります。2021年6月まではグリーンプラマークと呼ばれていました。このマークは日本バイオプラスチック協会が設定した生分解性に関わる基準をクリアした製品に付与されます。 




【デメリット】
・微生物により分解される特徴はありますが、分解に「数ヵ月~数年」程度の時間がかかることがあるので注意が必要です。また、生分解性プラスチックをうたっている商品であっても、コスト等の問題から配合率100%でない場合があり、この場合は100%分解されることはありません。

 
以上がそれぞれの特徴になります。
比べてみると、「原料」とプラスチック自体が分解するという「機能性」に違いがあることがわかります。

弊社では「バイオマスプラスチック」や「生分解性プラスチック」のような製品のラインナップはありませんが、研究や開発を日々行っています。

ご紹介できる日が来たらブログ等にてご紹介させて頂きますので、是非楽しみにお待ち頂けますと幸いです。 

 

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

総合お問い合わせCONTACT

お問い合わせ

お問い合わせ

武田産業について各種お問い合わせ、資料のご請求は、
お気軽に下記までご連絡ください。

総務部 03-5662-1720 / 受付時間 9:00~17:45(土日・祝日除く)