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グレイスパット開発秘話~その7~

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グレイスパット開発秘話~その7~

 フィルム緩衝材用の「POLYGRACE NEO」の開発ストーリーの後半編です。わが社の工場でフィルムの巻き取りができない問題をどう解決したのかのストーリーです。

 ここで、「インフレの神様」ことK製造部長の登場です。インフレ―ション成型技術に関しては右にでるものはいないといっても過言ではないほどの技術を持っており、テーマが難しければ難しいほどやる気マックスで没頭してしまう、いわゆるものづくり職人気質の方でした。

 この「POLYGRACE NEO」がロール状にうまく巻き取れない事件簿は、必然的にK部長マターとなったのでした。とにかく、引っ張るとどんどん伸びてしまうフィルムです。ポイントはいかにテンションをかけずに巻き取るか。そこで、K部長は、フィルムの耳落としの刃を特注するなど、機械や部品のパーツをオリジナルで改造し始めました。それも、とても楽しそうに。数度試作を繰り返す内に、当初はガタガタ&ボコボコだったフィルムの巻状態がなんとかギリギリ製品レベルまでに改善していったのです! さすが、インフレ神様、K部長、その節は本当にありがとうございました。
 
 さて、かくして「POLYGRACE NEO」のフィルムロールはうちの工場で出来上がったのですが、実際にフィルム+ダンボールパットに貼る加工をするには、フィルムのロール幅を製品幅に仕上げる必要があります。うちのフィルム工場では機械のスペック上、製造できるフィルムの幅の範囲が決まっています。この範囲よりも仕上げフィルム幅が狭い場合、うちのフィルム原反を、後工程で2分割や3分割にして、お客様の要望のフィルム幅に仕上げていくのです。これを「スリット」というのですが、この開発品の「POLYGRACE NEO」をいつもお願いしているスリット屋さんに依頼したところ、なんとまさかの「スリットできませんでした!」のお返事。なんとここでつまずくとは…。
 
 スリット屋さんいわく、うちのフィルムは「柔らかくてべたついて加工できない」ということだったのです。いや、困りました。そこで、先輩に「マスキングフィルム」専門のスリット屋さんを紹介してもらいました。


 
 マスキングフィルムとは、金属やプラスチックの板の表面を傷がつかないように保護する役割のフィルムです。皆さんも家電製品などの新製品に薄いフィルムが貼ってあるのをご覧になったことがあるかと思います。あれです! そう、これも「POLYGRACE NEO」に似て、柔らかくてべたつくフィルムです。マスキングフィルム専門なら、うちの「POLYGRACE NEO」は切ってもらえるだろう、と期待してテストを依頼しました。数日後、このスリット屋さんの営業の方がスーツにネクタイをしめられて2名、わざわざうちの会社に出向かれて頭を下げられたのです。「すみません、このフィルム、切れませんでしたっ」と。あのマスキングフィルムは切れるのに、なぜ?? 「このフィルムは一体何ですか?」と文字通り歯が立たなかったご様子。小巻の500m巻き位までだったら何とかできるが、それ以上は無理、と万歳三唱されてしまったのです。まさかのまさかの事態。フィルムは最低1,000m巻きを想定していて、それよりも短くなるとコストが嵩むのであまり考えたくない選択肢でした。しかし、スリットできないことには話が進まないし、さてどうしようか。また、壁にぶちあたりました。

さてさて、ものづくり現場の開発はそう簡単ではなく、まだまだ物語は続きます。乞うご期待。

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