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プラスチックのガラス転移点(Tg)と融点(Tm)の違いとは?

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プラスチックのガラス転移点(Tg)と融点(Tm)の違いとは?

こんにちは!武田産業増田です。
今回はガラス転移点と融点に関してご説明します。

プラスチック(高分子材料)を扱う上で避けて通れないのが、
ガラス転移点(Tg)と融点(Tm)です。
「どちらも熱で柔らかくなる温度でしょ?」と思われがちですが、
実はそのメカニズムは全く異なります。
この記事では、TgとTmの違いを物理的な視点だけでなく、
実際の成形加工にどう活かすかという実践的な側面からわかりやすく解説します。

1. ガラス転移点(Tg)とは?

ガラス転移点は、プラスチック内部の「非晶(アモルファス)部分」が変化する温度です。
イメージ: 絡まったスパゲッティの一部が、熱でゆらゆらと動き出す状態。
状態変化: 硬い固体(ガラス状態) → 柔らかい固体(ゴム状態)
ポイント: 「液体」になるのではなく、固体のまま性質が変わるのが特徴です。
Tg を超えると、分子鎖の一部が動き始める「セグメント運動」が可能になり、弾力が出てきます。

2. 融点(Tm)とは?:結晶の完全崩壊

融点は、分子が規則正しく並んだ「結晶領域」が崩壊する温度です。
イメージ: きれいに積み上げられたブロック(結晶)がバラバラに崩れる状態。
状態変化: 固体 → 液体
ポイント: Tgとは異なり、明確に相が変わる(1次転移)ため、この温度を境にドロドロに流動します。

3. Tg と Tm の違いまとめ

項目

ガラス転移点(Tg)

融点(Tm

対象

非晶(アモルファス)部分

結晶部分

状態変化

硬い固体 → 柔らかい固体

固体液体(流動)

変化の性質

連続的(2次転移)

不連続(1次転移)

存在

ほぼ全てのプラスチック

結晶性プラスチックのみ

【豆知識】融点を持たないプラスチックがある?

融点は「結晶が溶ける温度」です。
そのため、もともと結晶構造を持たない非晶性プラスチック(PS、PMMA、PCなど)には明確な融点が存在しません。

4. 実務で重要!「加工温度」との関係
プラスチック成形(射出成形など)では、
材料が「非晶性」か「結晶性」かによって、設定すべき温度の基準が変わります。
① 非晶性プラスチック(例:PS, PC, ABS)
 加工温度の目安: Tg + 100〜150 °C
 理由: Tg を超えた直後はまだ粘度が高すぎて金型に流れ込みません。
 スムーズに流すために、Tg よりもかなり高い温度まで熱する必要があります。
② 結晶性プラスチック(例:PE, PP, ナイロン)
加工温度の目安: Tm + 20〜50 °C
理由: 結晶さえ溶けてしまえば(Tm 超え)、急激に流動性が増すため、
Tm より少し高い温度で十分に加工可能です。

まとめ
・Tg は、非晶部分が動き出し「硬い → 柔らかい」へ変わる温度。
・ Tm は、結晶部分が溶け「固体 → 液体」へ変わる温度。
・成形時は、非晶性なら Tg 基準、結晶性なら Tm 基準で温度を管理する。

材料の特性を正しく理解することで、成形不良の防止や適切な材料選定が可能になります。
融点は「結晶が溶ける温度」です。
そのため、もともと結晶構造を持たない非晶性プラスチック(PS、PMMA、PCなど)には
明確な融点が存在しません。

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