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グレイスパット開発秘話~その1~

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グレイスパット開発秘話~その1~

今年も早いもので、あっという間に年の瀬になってしまいました。

この1年を振り返り、何ができて、何ができなかったかなぁ、と自分自身の成果と反省を顧みると、今年は我が社のウェブサイトでブログを開設したのに、自分自身が『1回も書いていない』、という猛烈な反省があり、今慌てて筆をとっている次第です。

このブログのコンセプトは、「我が社の泥臭いものづくり様子がプンプンと伝わる」です。

現在、我が社で営業一丸となって販売に力をいれているグレイスパット(GRACE PAT)という商品があります。この商品を完成させるまでには、ものづくりならではの産みの苦しみと申しましょうか、長い苦労の道のりがありました。
とても1回のブログでは書ききれない長いストーリーですので、数回に分けてお伝えしていこうと思います。

透明で伸び縮みし破れにくい特殊プラスチックフィルムで製品を挟み込んで固定する「フィルム緩衝材」。

アメリカのシールドエアという会社が欧米でこの構造特許を持っており、日本国内においては、あのソニーが構造特許を持っていました。

それが20年ほど前に切れたのを機に「この緩衝材は絶対に面白いし日本国内にもマーケットニーズが絶対にある!」ということで、これに使われる熱可塑性ポリウレタンフィルムを日本国内で製造・供給してほしいという話が我が社に舞い込んできたのが、もう今から15年程前だったかと思います。

苦労した点は、ポリウレタンはベトベトしていて柔らかいため、製膜中にあちこちにくっついてしまうのです。途中のロールに引っかかって巻きついてしまい、製造オペレーターが数人がかりで取り外す。
また、ゴムのように伸び縮する特性がありますので、これも製膜中にテンションをかけて引っ張るとどんどんどこまでも伸びてしまう。原料は吸湿性があるので、事前に乾燥機に入れて乾燥をしなくてはいけないのですが、温度設定を間違えて乾燥機の中で原料がお団子状に固まってしまうことも...。

何度やっても失敗の連続で、当時の開発担当の営業マンは工場から非難ゴーゴーだったそうです。「もー、いつまでやるのですか!!」と。しかし、その開発担当の営業マンはあきらめませんでした。あともう1回だけ」を連発して試作を続けました。しかし、やっぱりうまくできない。担当営業マンももう潮時かなと思ったそうです。それで「あと1回だけやって失敗したら、もうやめよう」と決めた最後の試作で、できたのです!

これ、作り話じゃなくて実話です。私の敬愛する稲盛和夫さんの言うところの「製造の神様が舞い降りてきた」のですねっ! あきらめずに粘った開発担当営業マンの信念と、最後まで全力でつきあった工場の製造オペレーターがいたからこそ、今日の我が社のポリウレタンフィルム「タフグレイス」とそれを使った梱包材「グレイスパット」があるわけです。この精神は我が社のものづくりのポリシーです。来年もこの精神を忘れず、新たな材料の開発に取り組んでいこうと思います。

次回は、このポリウレタンフィルムを段ボールパットにどのように貼りつけ加工を行ったのか、その開発ストーリーをお伝えします。
乞うご期待!

グレイスパット(GRACE PAT)
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